金融NEWS・コラム

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2012年10月号   事業再生ルネッサンス

事業再生ルネッサンス

 

金融機関に経営の厳しい取引先の貸出条件緩和等を促す「中小企業金融円滑化法」が半年後の2013年3月に終了する。貸出条件緩和等された中小企業の経営が上向かず、倒産が相次げば、金融機関の経営はもちろん地域経済に深刻な影響を与える。

 

金融円滑化法で対応した「中小企業の出口戦略」とは、金融機関が経営改善・事業再生支援に向けた体制整備に加え、債務者ごとの取引方針・支援を明確にすることである。各金融機関の規模、特性その他の個別の状況等を十分に踏まえ、機械的・画一的な取扱いとならないように、事業再生支援行動を変えねばならない状況であると言える。

 

金融機関は、債務者の経営課題を把握・分析し、適時に最適なソリューションを提案することが重要である。すなわち、債務者を事業の持続可能性等に着目した「顧客ライフステージ別ソリューション」が求められる。キーワードは、「事業の持続可能性」と「経営者の意欲」である。

 

①??? 経営改善が必要な債務者(自助努力により経営改善が見込まれる債務者など)は、ビジネスマッチングや技術開発支援により新たな販路の獲得等を支援するほか、貸付条件の変更等を行う。

 

②??? 事業再生や業種転換が必要な債務者(抜本的な事業再生や業種転換により経営の改善が見込まれる債務者など)は、貸付条件の変更を行うほか、金融機関の取引地位や取引状況等に応じ、DES・DDSやDIPファイナンスの活用、債権放棄も検討する。

 

③??? 事業の持続可能性が見込まれない債務者(事業の存続がいたずらに長引くことで、却って、経営者の生活再建や当該債務者の取引先の事業等に悪影響が見込まれる債務者など)は、貸付条件の変更等の申込に対しては、機械的にこれに応ずるのではなく、事業継続に向けた経営者の意欲、経営者の生活再建、当該債務者の取引先等への影響、金融機関の取引地位や取引状況、財務の健全性確保の観点等を総合的に勘案し、慎重かつ十分な検討を行う。その上で、債務整理等を前提とした債務者の再起に向けた適切な助言や債務者が自主廃業を選択する場合の取引先対応等を含めた円滑な処理等への協力を含め、債務者や関係者にとって真に望ましいソリューションを適切に実施する。その際、債務者の納得性を高めるために十分な説明に努める。

 

真の意味での事業再生ルネッサンス到来であり、金融機関の支援行動に期待したい。

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