2019年4月号 SDGsを取り込む攻めの経営
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とは、2015年9月に国連サミットにおいて採択された国際目標である。2030年までを期限とし、貧困、エネルギー、成長・雇用、気候変動など、持続可能な社会の実現のための17ゴールと169のターゲットから構成されている。
すでに機関投資家のESG投資額が増加し、ESGへの取組度合いが企業価値の向上に大きく貢献しており、その延長線上にSDGsや環境・人権に関連するルール形成が加速され、企業活動に影響を及ぼしてきている。
従って、持続可能な開発への新規市場開拓・事業成長の機会創出、SDGsの課題解決につながる製品やサービスの提供、企業の持続可能性に関わる価値の増強、企業の事業活動に関わるSDGs目標(人権、環境、労働等)への配慮、顧客、従業員、取引先、地域等さまざまなステークホルダーからの評価等に取り組むことで、新たなビジネスモデルを構築できると考えられる。
守りのSDGsは、法令遵守だけでなく、顧客の調達ガイドラインに積極的に対応することであるが、攻めのSDGsは、自社の商品・サービスを「SDGs軸」で再設計し高評価を得ていくことにある。
地政学的な戦略上の観点から「競争軸を変える」ツールとしてのSDGsに取り組むことで、企業としての社会的価値かつ経済的価値を高めることができると考えられる。