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2021年6月号 後進国になった日本

コロナ禍で思うのは、いつの間に日本は「後進国」に転落したのかという点である。「ワクチン後進国」「デジタル後進国」「環境後進国」「ジェンダー後進国」「人権後進国」「財政後進国」・・・日本が「後進国」に転落した背景には、政治・行政の劣化がある。責任も取らず、構想力も欠く。問われるのは、日本のガバナンス(統治)である。

(2021年4月9日 日本経済新聞 「大機小機」より引用)

 

日本が劣化した共通項として、①縦割り組織の弊害 ②根拠なき楽観思考 ③科学の軽視 ④始めたらやめられない組織 ⑤明確な優先順位なき戦略 があります。今日的課題として、過去の失敗から現在のわれわれが何を教訓として学ぶべきか明らかなっているにも拘わらず、未だに出来てない。。

 

例えば、2014年から日本は「観光立国」を目指していますが、未だに快適な観光ができる国ではない。①インバウンド対応 ②設備やサービスのユニバーサルデザイン化 ③従業員の確保 等大量の観光客の受け入れが追い付いてない。そのような状況下、コロナ禍においてワクチン接種も後手後手となっている。すでに諸外国においては、新型コロナウイルスワクチンの接種などを条件に、国境をまたぐ往来を再開させる動きが始まっている。ワクチン接種や検査での陰性が証明できれば隔離も免除する。世界に門戸を広げスムーズな往来でビジネスや観光を活性化する。国内の接種も進まない日本は閉ざされたままで、世界の往来再開の動きに乗り遅れる懸念がある。周回遅れどころではないことを自覚するべきである。

 

その多くの課題については、日本の若者に日本社会の未来のビジョンを描いてもらってほしい。永田町や霞が関に向かって、「老兵は死なず、只消え去るのみ」連合国GHQ最高司令官マッカーサーは、苦言を呈していることだろう。オープンデータ、オープンソースを活用し、産学官民が連携したリアルタイムでのデータ共有・分析・可視化・発信が欠かせません。オフィス・社会のIT化、リモートワーク、ワークライフバランスなど、これまでの社会の中での懸念事項の解決が必要です。Z世代とは言わないが、将来を担う日本の若者に活躍の機会を与えてあげることが極めて重要なことだと思います。

 

いまこそ日本の立ち位置として、将来を見据え、グランドデザインを描き、アクションを起こすチャンスでもある。永田町や霞が関で働く人たちにお願いしたいこととして、まずは世界を見て欲しい。世界の中で、日本がどのような立ち位置にいるのか、日本にどのような素晴らしさがあり、また日本国内では見えない弱さ、危機があるか学んで欲しい。世代交代無くして日本の将来は、厳しいと言わざるを得ない。若者には、十分に応える力があります。

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