2012年6月号 避けて通れない産業再編とグローバル化
避けて通れない産業再編とグローバル化
現在、日本企業が直面する「五重苦」として、円高、厳しすぎる解雇規制による高い労働コスト、諸外国に比べて高い法人税、経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)への取り組み不足な姿勢、電力不足や電力コストアップ等が挙げられる。
しかるべき状況下、熾烈な国際競争を展開している企業は、これまで以上に海外展開のペースを加速に取り組むことで生き残りを賭けていかざるを得ない。企業が海外に出ていくから国内経済が空洞化することも事実であるが、一方グローバル済において海外にも出ていけない産業は、衰退して雇用確保も難しくなる。経済政策の構築が喫緊の課題であることは、明白であるにもかかわらず勇気をもって実行できてないことに問題がある。企業は、座して衰退していくのを待つのか、いやリスクを覚悟して前に進むしかない。
雇用創出の観点から経済産業省の試算によれば、医療介護やサービス業、新エネルギー関連など今後有望な産業で2020年までに1、000万人の雇用創出が期待できる。成熟産業から成長性の高い分野へ産業構造の改革が進めば日本経済全体も元気になります。産業構造変革待ったなしというのが、人口オーナスである日本経済社会の問題としてあります。
企業としても手を打ってきており、国内市場が先細り厳しい時代が来ることが想定される中、生き残りをかけた産業再編が相次いでいる。家電量販店大手のビッグカメラは、同業のコジマを買収すると発表、また準大手ゼネコンのハザマと安藤建設合併すると発表するなど、産業再編幕開けという状況になりつつある。
最後に金融機関に期待したいことをあげてみますと、金融機関は国内市場が構造的に縮小しつつある中、企業に対していろいろな提案することで、経営者の目線にかなうこと(=目利き)が期待されます。中小企業金融円滑化法の最終延長を踏まえ、中小企業の抜本的な経営改善・事業再生・業種転換・事業承継等期待したいことは多くまさに正念場である。金融機関こそ、日本全体や地域経済を変える主役になることができるのです.