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2013年8月号 被災地復興に日本経済再生のヒントがある

2011年3月11日午後2時46分、三陸沖で発生した東日本大震災が、多くの尊い人命を奪い、地域社会と地域経済は壊滅的な状況になった。あれからすでに2年5か月が過ぎようとしている。

 

スピード感のない復興、日本が抱える官僚や企業組織の問題、中央官庁や本社が決定権を握っておりすべの物事を進めるには、中央官庁(=霞が関)や本社(=東京等)の承認が必要となっているのである。意思決定するまでにいかなる組織も、関係者間の面子を尊重した利害調整に多大なるエネルギーを費やしているのが実態である。平時対応に慣れきり、有事対応ができない。危機的状況にて有事対応することが求められても、公務員的な発想(=前例のある範囲内での対応、誰もが想定できる組織納得性の範囲内での対応等)から抜け出ることができない。

 

いま被災地域は、従来の延長線でない異次元的な発想で行動している。日本中あふれた閉塞感を打ち破ることができるかどうか。日本の産業構造を変える日本経済再生のヒントは、被災地から発信されていくことだろう。

 

東北地域にとっては、農林水産業・同加工業は基幹産業であるばかりでなく、特徴的な農林水産品があまりに多いことに驚ろかされる。各地域において、農商工連携・6次産業化・地域資源の有効活用・海外進出支援等の取り組みが、いま積極的に行われている。

 

全国各地から復興へと歩みを進める東北地方へ、ひとりでも多くの日本人が足を運んでほしい。いまだ処理されてない「がれきの山」を見たときに、「ここも同じ日本か」とただただ驚く。被災地の支援は、震災を「風化」させないためにも、より多くのひとが現地訪問してほしい。被災地の支援は、他人ごとではない。

 

復旧していく製品や商品を実際に見ていただきたい。復興支援に関する、技術・情報・アイディア等を提供してあげてほしい。新商品・サービス支援、アンテナショップ・ビジネスマッチングの機会提供、特産品のブランド化等により、結果として世界に通用する国際競争力ある商品を提供することができるのである。

 

日本経済再生のヒントは、被災地で成功しているイノベーション事例から学ぶことかもしれない。

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