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2013年12月号 産学官金連携体制の成功事例「江戸っ子1号」

産学官金連携体制の成功事例「江戸っ子1号」 あっぱれ!

 

 

東京下町の町工場を中心とするグループが開発した無人海底探査機(=フリーフォール型深海探査シャトルビークル)「江戸っ子1号」は、日本海溝の深海約8千メートルで動画撮影に成功、鮮明な深海映像を撮影できたのは世界初、という快挙のニュースが飛び込んできた時、思わず「中小企業よ あっぱれ!」と叫んでしまった。

 

慢性的不況に苦しむ中小企業は後継者難、技術の伝承者不足といった問題を抱えどんどん廃業している。そんな状況を打ち破り、小さな町工場でも、力を結集すればイノベーションが実現できる。東大阪の「まいど1号」に触発され、東京下町の町工場の社長たちが世界最深部に深海にチャレンジしようと立ち上がったということであった。

 

中小企業単独での技術では生き残りが難しくなっている現状において、産学官コラボを合言葉に中小企業は活路を見いだせる、と言われてからかなりの年数が経過している。

今回注目したことが、ふたつあります。ひとつは、「産学官金連携体制」ということであります。もうひとつは、「開発費 総額 2,000万円」ということであります。

 

「産学官金連携体制」については、特殊ゴム成型の会社、プレス金型及び成型の会社、特殊電源システムの会社、芝浦工業大学、東京海洋大学、海洋研究開発機構、東京東信用金庫が連携のメンバーである。またこの推進事務局は、地域金融機関である東京信用金庫が担っていることであり、事務局の金融機関に感謝御礼申し上げたい。大拍手喝采したい。

 

「開発費 総額 2,000万円」については、機能を限定することで、圧倒的な低コストでの製造、運用を目指し、事業化への道筋を開いていくようであり、本格化はこれからであり楽しみである。

 

本事案に続いて、「産学官金連携体制」の成功事例が多数出てきてくれることを大いに期待したい。もう一度「中小企業よ あっぱれ!」と叫びます。

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