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2013年4月号 産業構造の改革が雇用機会の拡大につながる

産業構造の改革が雇用機会の拡大につながる

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中小企業金融円滑化法が3月末終了したものの、事業再生や転業が必要な会社は5-6万社とみられています。政府としては、地域経済活性化支援機構・中小企業再生支援協議会・中小企業支援ネットワーク等にてサポートしていく体制をつくっております。

過去には企業再生の場合において、公的資金を導入することで同一業界での過剰なプレーヤーによる国内過当競争になっているのが実態であり、公的支援に関するルールづくりも必要であります。企業再生の成否は、企業の自助努力はもちろんのこと民間金融機関の地道な取り組みも大事であります。

いつまでも政府の過剰な介入で市場経済の枠組みを崩すことは、好ましいことではありません。企業は、自立・自律して事業構造を変えていくことが当然ではないでしょうか。本来であれば、市場経済では経営者が自らリスクを取って資金を調達し、投資するのが原則です。

国が成長分野でない特定な産業や企業を支援することは、慎重に対応するべきではないか、労働市場の流動性を高めるには、古い産業や企業に抱え込まれていた人材が動けば、活力を取り戻します。業績不振に悩む大企業に対して、安易な政府介入はモラルハザードを招き、淘汰されるべき企業まで救済することになりかねません。

 

 

すでに政府は「産業競争力会議」において、今後5年間を集中期間と位置付け、産業構造の改革に取り組むことを決めております。

企業努力により売上や雇用で世界規模の企業(グローバルメジャー)と特定分野で高い世界シェアを誇る企業(グローバルニッチ)となり、威勢のいい企業もあります。今こそ、政府は産業の新陳代謝を促し、成長分野に人材を移す方策を示して雇用の維持・拡大に期待したいものであります。

成長戦略は、「規制緩和」「市場開放」「イノベーションを誘発する税制優遇」であります。「FTA」自由貿易協定 「TPP」環太平洋経済連携協定等にて、農業、医療、介護、エネルギー、観光等の分野においてアジア太平洋地域とともに成長し、雇用機会の拡大につなげていくことが大切であります。

一方金融機関には、成長分野・新規産業分野にリスクマネーの供給の仲介機能を強化するためのクラウドファンディング、ネット上で資金を調達できる仕組みや、地域での資金の調達を促す仕組みができあがることを期待します。

 

成長産業に人材移動させることで雇用機会の拡大につながることを願うばかりです。

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