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2015年 10月号 「地方創生」 地域金融機関に期待されること

「地方創生」の取り組みは、平成27年度中に「地方版総合戦略」を策定、28年度には事業推進の段階に入ります。地域経済の担い手として、地域金融機関への期待は大きいものがあります。地域金融機関も意識改革して、自分達で街を創造していく、生み出していくとういうマインドを持つことであります。

 

「地方創生」の戦略策定や実施にあたっては、人口動態や地域経済産業の状況をしっかりと分析し、その結果を踏まえ、地域住民の声を反映した戦略を立案することが大事であります。若い世代が安心して働くことができる相応の賃金、安定した雇用形態、やりがいのある仕事を地方圏に生み出していくことです。地方創生には、人材が必要不可欠であります。地方で「仕事」をつくり、その「仕事」が「人」を呼び、「街」をつくることです。

 

各地域の「稼ぐ力」「地域の総合力」「民の知見」を引き出すことを通じ、官民協働・地域連携の新たな「枠組み」や地域創生を担う新たな「担い手」、地域の生活経済実態に即した新たな「圏域」をつくり、地方創生を深化せせることとしています。地方創生がめざすものは、質の高い雇用を中小企業が提供できる状況を創ることであります。

 

金融庁は、平成27事務年度 「金融行政方針」において、【国内で活動する金融機関】に対して、「地域に密着した多くの地域金融機関については、地域経済や地場の産業・企業の発展に貢献することが自らの経営の健全性の確保にもつながる。そうした国内で活動する金融機関については、営業地域における顧客層のニーズを的確に捉えた商品・サービスの提供を行うとともに、地域の経済・産業を支えてくことが求められる。また、担保・保証に依存する融資姿勢を改め、取引先企業の事業の内容や成長可能性等を適切に評価(事業性評価)し、融資や本業支援等を通じて、地域産業・企業の生産性向上や円滑な新陳代謝の促進を図り、地方創生に貢献していくことが期待される。」と公表しています。

 

最後に、地域金融機関にお願いしたいことがあります。地方創生に貢献しようという経営方針と目先のボリュームを重視する人事評価の間に大きな乖離があることを問題視すべきであります。人事評価の仕組みは、「地域のため」という経営方針を浸透徹底させることが大事であります。まずは、経営者自らが意識改革し、発想の転換を期待したいものであります。

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