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2015年 2月号 有給休暇消化の義務化は行き過ぎ

有給休暇消化の義務化は行き過ぎ

 

厚生労働省は、2016年4月から社員に年5日分の有給休暇を取らせるよう企業に義務付ける方針と公表。政府は今通常国会に労働基準法の改正案を出し、2016年4月に施行する。有給休暇消化の義務化とは、社員の希望を踏まえて、有給休暇取得日を、あらかじめ企業が指定し、年間で数日分は有給休暇を取得させるように、企業側に義務付けようとするものである。

 

まず、下記の年間休日数の国際比較をご参照願いたい。

年間休日数(2011年)

週休日 週休日以外の休日 年次有給休暇 年間休日日数(計)
日本

イギリス

ドイツ

フランス

イタリア

104

104

104

104

104

15

8

10

10

9

18.3

24.7

30.0

25.0

28.0

137.3

136.7

144.0

139.0

141.0

資料出所:厚生労働省(2012.11)「平成24年就労条件総合調査」

 

日本では「お上主導」の労働時間短縮のため、週給2日導入や祝日の増加といった「一斉休業日」を増やすことに力点が置かれてきた。この「一斉休業」重視が、長期休暇の実現を阻害している。日本の休暇の構造が、土日と、祝祭日と、夏季休暇と年末年始休暇といった、オフィスクローズを伴いがちの一斉の言わば強制的な休暇から構成されているのである。

 

祝日法改正、国民の祝日を公休日にするのを止めてしまう等を検討する余地もあるのではないか。多くのサラリーマンが感じていることに、祝日が増えることによって仕事の能率が落ちているのではないか。今年9月は5連休、上半期決算月にもかかわらず19営業日しかない。規制と義務化を最小限にすることが、労働の質を高め、働き方に違いがでてくると考えるからである。

 

有給休暇消化に関しては、規制で義務化せずに社員の裁量でできないものだろうか。有給休暇を取得するかどうか、付与された日数の中でどの程度の日数を消化するか、いつ消化するかについて、社員に裁量を与えることこそ日本の稼ぐ力を増すことにつながると思料するからである。

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