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2015年 4月号 「訪日外国人2000万人時代」に向けてセブン銀行から学ぶべきこと

「訪日外国人2000万人時代」に向けてセブン銀行から学ぶべきこと

~面子より利用者の利便性を重視する~

 

観光立国を目指す日本、追い風にのるセブン銀行の快進撃が止まらない。

セブン銀行は、3月24日、運営するATMの画面表示を12月から12言語に対応させると発表した。増加する訪日外国人の利便性向上につなげる。現在は海外カードの利用時に表示されるのは英語、韓国語、ポルトガル語、中国語の簡体字4つであるが、新たに中国語の繁体字、タイ語、マレーシア語、インドネシア語、ベトナム語、フランス語、ドイツ語、日本語を追加する。訪日客の9割超に対応できるようになるという。

 

観光は、急速な成長を遂げるアジアをはじめとする世界に需要を取り込むことによって、日本の力強い経済を取り戻すための柱である。観光立国実現に向けたアクション・プログラムのひとつは、「外国者旅行者の受入環境整備」をあげている。外国人旅行者の利便性の向上を図るため、金融機関等において海外クレジットカードで現金が引き出せるATMの設置に係る取組が順次進められている。今後、更に、このような取組の促進を図るとともに、利用可能なATMの情報を海外ガイドブックや観光情報サービス等あらゆる媒体にて提供することが期待されている。

 

(以下日経ビジネスオンラインより引用)

セブン銀行は今、日本のATMのガラパゴス化を武器に、新たなビジネスチャンスを見出そうとしている。セブン銀行のATMの多くは、セブンイレブンの店舗内にあるうえ、365日24時間利用できる。「コンビニと言う分かりやすい場所にある」かつ「いつでも引き出せる」点が、訪日外国人客のニーズに合致していた。

2013年6月岐阜県を地盤とする十六銀行が、JR高山駅前の支店内にセブン銀行のATMを設置した。高山は、江戸時代末期から明治期に建てられた屋敷など古い町並みが残されており、こうした景観は外国人の間で人気が高い。外国からの渡航客が多く両替ニーズは確実にある。にもかかわらず、自行のATMが海外カードに対応していないことに十六銀行は悩んでいた。自前のATMを改良するとなるとコストがかかる。そんな折に十六銀行の声をかけたのがセブン銀行だ。ATM設置を申し入れ、十六銀行は受け入れた。駅前の主要支店の他行のATMを置くという常識破りの決断は、面子より、利用者の利便性を重視した結果だ。今後もセブン銀行は「同様の動きが出てくるのを期待している」という。

 

邦銀は、面子より利用者の利便性を重視したセブン銀行が、日経ビジネスオンラインにおいて「他行」と位置付けられ認識されていることを真摯に受け止めなければ明日はないと思うがいかがだろうか。

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