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2018年12月号 バングラデシュの視察研修を終えて

バングラデシュ経済は堅調な内需に加え、投資増、貿易赤字の縮小が影響し、実質GDP成長率は7.1%である。人口1億6千万人、しかも世界一の人口密度(1129人/k㎡)

今後2050年まで人口ボーナスが続き高い経済成長率を維持していくことが予測できる。

「2021年における中所得国化」を目指し、現状の縫製品輸出と海外労働者送金に過度に依存する経済構造から脱却し、製造業を中心とした競争力のある産業の育成並びに産業の多角化を実現する必要に迫られている。

 

そこで日本・バングラデシュの更なる経済関係促進に資するため、経済特区整備等の支援に加え、日本企業進出に必要な産業人材の育成支援にも取り組むことが不可欠である。また、製造業の裾野を支える中小企業の産業育成・競争力強化や日本の中小企業のバングラデシュへの進出支援、BOPビジネス・ソーシャルビジネス促進支援にも取り組むことも大切である。そのためには、先進国等からの技術や知識の移転により投資促進等を支える制度・政策・行政・実施能力の改革が課題であろう。

 

バングラデシュには、17,384の零細企業、15,666の小企業、6,103の中規模企業、3,639の大企業があり、合計502万人の従業員が働いている。中小企業は、バングラデシュにおけるマイクロ経済部門の総数の50.91%を占めている。(ザ・デイリー・スター紙 2019年11月9日 バングラデシュの中小企業は未だ十分活用されていない)

 

日本の中小企業は、市場の縮小と労働力不足により大きな転換点に直面しており、日本とバングラデシュの中小企業が協力することで、今後人口ボーナスが30年続きかなりの経済成長が期待できるバングラデシュの市場と労働力不足に悩む日本とは、相互補完関係を構築していくことができる。いま日本に求められることは、自国の発展もさることながら発展途上国とどのような関係を構築できるかその構想力が問われている。

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