2018年4月号 人生100年時代の今、企業で求めれれている力
第四次産業革命は、消費者の潜在的なニーズを呼び起こす新たなビジネス創出をもたらす一方、既存の社会システム等を一変させる可能性があることから、企業にとって大きなリスクとなる可能性もある。さらに、技術やビジネスモデルの革新などは予測が困難であるにもかかわらず、第四次産業革命は想像を超えるスピードで進展するとされている。そのような環境下、日本は長寿化の潮流の先頭を歩んでおり人生100年時代にどう対応していくべきか。
いままで普通であった教育→仕事→老後という従来型の人生モデルが難しくなってきている。背景として、古いスキルを土台にした仕事に飽きたり、テクノロジーの進歩によりスキルが時代遅れになったりする結果、生涯を通して新しいスキルと専門技能を獲得しつづけることがいる。勤労人生の途中で職を変えたり、業種を移ったりするケースが増えれば、評価が高く、どこでも通用するスキルや知識をもつことの重要性がいっそう高まる。人間ならではのスキルと共感能力、意思決定能力、そして創造性とイノベーションの重要性が高まる時代には、新しい状況に合わせたリベラルアーツ(教養)教育がきわめて大きな経済的価値を生む可能性がある。と感じている時、社会人基礎力を熱く議論している人たちに会い、落雷にあったような衝撃を受けた。
そこで、人生をどう過ごしてきたかを見つめ直し、キャリアを再設計することが必要となってくる。社会に出た後でも時代の変化に対して対応しながら、働くことや学ぶことについて考え直す機会を持ち、仕事と学びを循環させていくキャリア設計を作っていく、社会人としての新しい基礎力を身につけることが重要である。すなわち、「新・社会人基礎力」は、これまで以上に長くなる個人の企業・組織・社会との関わりの中で、ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力と定義され、能力を発揮するにあたって、目的、学び、組み合わせのバランスを図ることが、自らキャリアを切りひらいていく上で必要と位置づけられる。
これからは、次の3つの能力が重要である。①前に踏み出す力(アクション)~一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力~ 与えられた役割をこなし、課題に深く関わることで高い達成感を得ることである。 ②考え抜く力(シンキング)~疑問を持ち、考え抜く力~ 問題解決の際に、持っている知識の整理、新たな情報収集を行いつつ問題を分析・理解・表現して、自らの理解を問い直しつつ、問題の核心に迫っていく、そういう考える作業を経験させ、加えてそれを面白いと感じることである。 ③チームで働く力(チームワーク)~多様な人々とともに、目標に向けて協力する力~ いかにチームメイトと協働し、一つの目標に向かうよう仕組めるかが重要となってくる。
人生生き抜くためには、自らがキャリアを切りひらいていくことが求められる時代である。