2019年10月号 日本の七十二候を楽しむ(旧暦)
秋冬野菜植付けの季節となりました。今年は、大根・蕪・キャベツ・茎ブロッコリー・大蒜等を植えました。この間、春夏野菜を収穫したばかりですが、秋冬野菜の準備を始めました。時のたつのは本当に早いものです。日本という国らしい四季折々や風情という言葉をかみしめながら、七十二候について考えてみたいと思います。
日本には、春夏秋冬の四季だけでなく、二十四の気という季節、七十二もの候という季節があり旧暦をもとに暮らしていた時代には、人はそうした季節の移ろいをこまやかに感じていました。花や鳥や草木や自然現象にまなざしを向ける七十二候という暦は、生きとし生けるものの息吹に満ちた暦であり、田植えや稲刈りの時期など農作業の目安になる農事歴でもあります。
春・・・立春、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨
夏・・・立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑
秋・・・立秋、処暑、白露、秋分、寒露、霜降
冬・・・立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒
本日は、秋分の日。秋分とは、春分と同じく昼夜の長さが同じになる日のこと。これから次第に日が短くなり、秋が深まっていきます。秋分の旬の魚介には、はぜ・さんま・とらふぐ、旬な野菜には、松茸・里芋・銀杏、旬な草花には、彼岸花・紫苑・金木犀があります。
日本人は昔から旬のものをいただき、季節それぞれの風物詩を楽しみ、折々の祭りや行事に願いを込めてきました。自然流れによりそう旧暦のある暮らしは、いまの時代よりも大切なもの、人の身も心も豊かにしてくれます。四季ある国に生まれたことであり、人が自然によりそい生き生きと季節を楽しむ暮らしこそ人間らしい豊かな生活かもしれません。