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2021年10月号 老舗企業から学ぶこと

「近代日本経済の父」といわれ、「論語と算盤」の考え方や「忠恕」の精神を尊重した渋沢栄一翁が、本年の大河ドラマ「青天を衝け」の主人公として、2024年には新一万円札の肖像になっております。また、日本がいまだ黎明期にあったその時代、「日本経済を隆盛に導かん」と実業立国日本を目指したのは、東京商工会議所(当時は商法会議所)の初代会頭を務めたのも渋沢栄一翁であった。

いまコロナ禍において、歴史を重ねてきた老舗企業のもと経営哲学やノウハウは、重要な経営資産にて東京商工会議所がまとめたもののうち、いくつかをお示しすることで現在コロナの影響にて経営状況が厳しいが、コロナとともに共生していくことで乗り越えていただきたい。(文献:平成24年2月 東京商工会議所中央支部)

 

老舗企業 強さの源泉

1.『のれんを創る』:「らしさ」を生みだす

老舗企業の経営の根幹には、ビジネスに対する一貫した考え方が存在している。その歴史のなかで、さまざまな環境の変化に直面しつつも、変化を乗り越え、今日まで顧客を獲得し続けることができたのは、変わることのないその企業らしさや顧客への対応があったからである。

 

2.『商いを創る』:長期的、持続的な競争力を創り込む

企業経営における命題は、いかに自社のアイデンティティ(その企業らしさ)や強みを失うことなく、市場の変化に応じてビジネスの在り方を変え、「商い」を創り出していくかということにある。

 

3.『人を育てる』:後継者・従業員の学びを促進する

ビジネスの構築に連動して「人づくり」にも秘訣がある。ビジネスを動かしているのは最終的には人であり、自社の強みをさらに強化し、弱みを克服していくためにも、従業員の技能や習熟、知識が不可欠であるし、後継者の育成は避けて通れない。

 

4.『関係性を創る』:顧客・取引先と共に成長する

人材育成と並んで、取引先との関係づくり、顧客との結びつきのマネジメントも重要な要素である。老舗企業が長期的に存続し得たのは、顧客との長期的な関係づくりに長けていたからであり、取引先とも短期的ではなく長期的な信頼関係を築き上げてきているからである。

 

5.『地縁・地域性を活かす』:社会と共に歩む

経営に関するさまざまな知恵を学び合い、直接的には利害関係がない人脈によるつながりなど、一社ではできないことも可能にする関係を構築する点においても、地域を基盤とした関係性の価値は大きい。

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