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2023年4月号 デジタル赤字増加、経済構造の変化を映し出す国際収支

経済構造の変化を映し出す国際収支で目立ってきたのが、デジタルサービスの海外への支払いで膨らむ「デジタル赤字」である。2022年の赤字額は、4.7兆円で5年前の1.9倍となった。国際収支というのは、海外との総合的な取引状況をまとめた経済統計のことを指し、日本の企業や個人が使う海外IT(情報技術)サービスへの支払いが急速に膨らんでいる。

 

サービス収支のうちデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する「通信・コンピューター・情報サービス」、ネット広告などの「専門・経営コンサルティングサービス」、「保険・年金サービス」、動画・音楽配信を含む「著作権等使用料」の海外への支払超過額(赤字額)が含まれる。モノの輸出で稼ぐ力も陰ってきており、早急に産業構造の転換が欠かせないと思料する。

 

「貿易の未来はサービスでありデジタル」と世界貿易機関(WTO)のオコンジョイウェアラ事務局長も言う。WTOによると世界の電子商取引(EC)市場は2013年の16兆ドル(約2100兆円)から2019年に27兆ドルに増え、コロナ禍でさらに拡大した。とりわけ音楽、映画、ゲームなどデジタルなコンテンツの伸びは著しい。(2023年3月18日 日本経済新聞朝刊から引用)

 

いま日本がしなければならないことは、デジタル分野の人材育成である。男女を問わず急務、特にSTEM(科学・技術・工学・数学)分野を目指す女性があまりにも少なすぎる。女性の採用と登用の促進、両立のためのサポート体制など問題山積している。経済協力機構(OECD)によると、大学など高等教育機関に入学者の女性割合は工学系が加盟国平均で26%、日本は16%である。自然科学系でも平均52%、日本27%と大きな差がある。いずれも比較可能な国の中で最下位である。東京工業大学は2024年4月入学者から総合型・学校推薦型選抜に「女子枠」を設けると報道されている。

 

いまこそ日本の若い人は、アクションを起こすチャンスでもある。すでにWCやWBCにおいても活躍しており、若い人は日本人しか通用しない価値観に寅合われることなく「心の壁を取り払い」世界に目を向けて活躍ほしい。

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