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2024年6月号 地方自治体「持続可能性」について

2024年4月24日民間有識者でつくる「人口戦略会議」は、全国の市区町村のうち4割超にあたる744自治体が「消滅する可能性がある」との報告書を発表しました。過去2014年の分析においては、「日本の地域別将来推計人口」における「20~39歳の女性人口」(以下、若年女性人口)の将来動向に着目したものがありました。この若年女性人口が減少しつづける限り、出生率は低下しつづけ、総人口の減少に歯止めがかからないと指摘しています。今回新たな視点として、人口の「自然減対策」(出生率の向上)と「社会減対策」(人口流出の是正)の両面からの分析を行っています。

今回では、1729自治体・地域を分析し、大きく4つに分類しました。
① 「自立持続可能性自治体」100年後も若年女性が5割近く残る。
② 「ブラックホール型自治体」出生率が低く他地域からの人口流入に依存している。
③ 「消滅可能性自治体」20~39歳の女性人口が20年から50年までの30年間で半減する市町村。
④ 「その他の自治体」
*詳細は、{人口戦略会議・公表資料} 地方自治体「持続可能性」分析レポートご参照下さい。

このような状況に至った原因は、政治行政の劣化(①縦割り組織の弊害 ②根拠なき楽観思考 ③科学の軽視)が招いたことは事実であるが国民一人ひとりも他人事としてきたことを反省するべきである。この10年間避け通てれない問題があるのもかかわらず、政府は国主導ではなく地方自治体の問題として先送りしたことを認識するべきである。

いま各自治体が深刻な人口減少を回避するにはいかなる対策を講ずるべきかという視点で建設的な提案がありひとつひとつ検討してほしい。
・地方では子育て施策を充実し移住者に選ばれることである。
・ジエンダー平等の実現であり女性の能力を適正に評価し、家庭との両立も可能な働き甲斐のある職場を創出することである。
・中堅若手にバトンが渡り、排他的な共同体に維持から、取り込めるものは取り込もうと意識がかわる。
・人口減だから駄目ではなく、「人口減に合わせた社会に変えよう」がテーマとなる。目指すは小さくとも稼げるまちづくりである。
・地方自治体は自ら考え、独自の戦略を生むことが重要である。地方自治体には自前主義が欠けている。
・地域再生に究極の一手はない。世代を超えて取り組む地域はヒットが出ている。
・地域が進むべき未来を描くため、世代に関係なく自ら知恵を絞ることが欠かせない。

若年層が望む「雇用への改革」こそが一丁目一番地である。地方が失っている20代前半という年齢階層はその9割以上が未婚であり、この階層の女性人口を失うということは、地元での婚姻・出生の発生の未来をも失う(社会減=出生減)ことに気がつかないエリアが沈み続けている。これが今の日本の姿である。(天野 馨南子 ニッセイ基礎研究所人口動態シニアリサーチャー)
行政サービスを効率的に提供するためには都市機能の集約が避けられない。「定住自立圏」
「連携中枢都市圏」のような仕組みのてこ入れが必要である。(日本経済新聞 編集委員 谷隆徳)

世界中あらゆる国が、「サステナビリティ」や「レジリエンス」に立ち向かっております。わが国としても、国民一人ひとり自分自身の問題と認識し、政治行政の動向を注視していくことが重要であります。

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