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2025年4月号 綱渡り状態の老朽化したインフラ、埼玉県八潮市の事故

埼玉県八潮市で下水道管の破損をきっかけに起きた道路の陥没事故は、老朽インフラを放置することの恐ろしさを見せつけられました。なすべき行いを直視せず、漫然と先送りを繰り返す悪しき習性が「水道」に凝縮されています。早速にも国交省は、埼玉県八潮市の事故を受けて自治体に義務付けている定期点検の見直しを検討するが、市町村などの負担は重い。全国の下水道事業のうち8割は使用料収入で経費がまかなえておらず、老朽化対策のためにも値上げが相次いでいます。

いまは、都道府県が管理する大規模な下水道管の老朽化が進んでいます。耐用年数を超える管路は東京―名古屋間を超える約380キロメートルに及び、今後20年間で12倍に膨らみます。損壊が起きれば下水の利用自粛により市民生活や産業への影響は避けられません。補修などの担当職員は減少しており、重点的な点検と補修に向け、抜本的な対策が求められます。課題先送り体質は、全く改善されてない状況であります。老朽化したインフラを改善するために、1700ほどある全国の自治体の上下水道事業でデジタル技術の活用を推進が大事です。具体的には、人工知能(AI)が管の劣化度を判定して漏水のリスクを検知したり、人工衛星から電磁波を放射し、跳ね返ってきた電磁波を分析して漏水部分を特定することです。

早急に若手技術者の確保と育成、熟練技術者の知識やスキルを継承するための支援策が必要であり、官民連携しながら優先順位を明確にして効果的な対策を講じることが急務であります。加えて、ドローンやAIによる診断などデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進による省人化や効率化を図ることも重要であり、国や自治体によるこれらの施策の推進が一層求められます。老朽施設全般の改修には財源不足も課題であります。人口縮小に伴う利用料金の減少などを背景に、独立採算を原則とする下水道事業は8割運営費がまかなえない「原価割れ」の状態であります。

日本の場合、将来の課題が社会で共有されていないのが実態であります。戦略なき日本、政府の責任は極めて重いと考える国民も多いのではないでしょうか。

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